東京昆虫館のブログ

日々の昆虫関係の出来事を綴っています

蛹化の準備

飼育しているヤマトオサムシダマシ幼虫が昼間でも土の表面を歩き回るようになった。これは、蛹化が近いというサイン。乾燥したサラサラの土では蛹室を作ることができないので、湿り気のある場所を求めて歩き回るからだ。

 

息子に手伝ってもらい、新しい黒土をふるいにかけて細かくする。百均で買った小物入れを埋めて、蛹室を作るための足場として使ってもらう。

そして、容器の片側だけ水を注ぎ、幼虫を放つ。土を均一に湿らせないのには狙いがあり、土の湿り気や固さが段階的に変わるようにして、幼虫自らが好みの条件の場所を選べるようにするため。

側面から見ると、注いだ水がどのように広がっているかがわかる。うまくいけば1か月半くらいで成虫が出てくるはず。

オニグルミノキモンカミキリ

昨日、今日と暖かくなったからか、2月に奥多摩で採ってきたオニグルミからカミキリムシが2頭羽化脱出してきた。上の大きい方がメス、下はオス。

 

オニグルミノキモンカミキリ(メス)

成熟させるには後食が必要だが、この時期にオニグルミの若葉はない。近所に木があるので、若枝を採ってきて樹皮をはがして与えてみることにしよう。

採集ポイントの消滅例:フタオビツヤゴミムシダマシ

先月、成田市内の某スーパーマーケットが昨年夏に閉店していたことに気づいた。(家からちょっと遠いので一度も買い物をしたことがない)

 

ここの駐車場の一角にはコイン精米機が設置されており、利用者は結構いたようだ。糠室には鍵がかかっておらず、精米作業で発生する糠は「ご自由にお持ち帰りください」となっていた。実はここ、私が把握している中では唯一、フタオビツゴミムシダマシがかなり豊富に見られるポイントだった。

この枯草の一角にコイン精米機が設置されていたが、もうその痕跡すらない。お客さんが来なければ維持費だけかかるので、閉店と同時に撤去したか。ここで生まれたフタオビツゴミムシダマシたちは新天地を見つけられたのだろうか。

カッコウムシ幼虫を回収

今年2月の材採集で持ち帰ったアカマツ枯枝から木屑が噴出しており、幼虫の顔を見てみたくて樹皮を剥がしてみた。白いカミキリムシの幼虫の姿を期待していたところ、出てきたのは天敵のひとつであるカッコウムシ科の幼虫だった。


このままでは残っているカミキリムシ幼虫も食われてしまうので、回収して別容器に。せっかくなので飼育してみることにした。

カッコウムシ幼虫がいた場所。カミキリムシ幼虫はすでに材部に穿孔しており、坑道には栓がしてあった。あと数日回収が遅れていたらカッコウムシ幼虫はこの栓をかじって材部に侵入していたに違いない。

幼虫の回収

産卵が始まってから約4ヵ月。息子とともに、大きく育った幼虫を回収することにした。

 

作業開始前の状態。まずは竹筒の隠れ家、水分補給用容器を取り除く。

 

少し掘るだけで幼虫が姿を現す。

 

時間短縮のため、ふるいで振り分ける。

 

終齢幼虫が20頭余りいた。ふるいの目をすり抜けるほどの若齢幼虫もいたのはちょっと意外。

 

成虫と若齢~中齢幼虫は元の容器へ。土はふるいで丹念にふるって細かいものだけにしておいた。これまで見た2か所の屋内生息地ではいずれも土が細かくサラサラしていたことを思い出し、それをなるべく再現。そして、飼育容器は元通り段ボール箱の中へ。明るい場所では落ち着きがないため、体力を無駄に使ってしまうことを避けるのが狙い。

 

終齢幼虫は別容器へ。蛹化までにはもう少し餌を食べそうだったので、通常の飼育容器としてセッティング。ふるいにかけて細かくした土は少し厚めに入れ、好みの水分状態を選択できるように、1か所だけ給水。

 

ちなみに、土は園芸用品店で売られているものを使っている。熱をかけて乾燥させてあるので、加湿してもカビや植物が生えてくることはなく、ダニの発生も心配ない。

学研の図鑑LIVE昆虫(新版)

以前から噂は聞いていた図鑑を、さきほど閉店セールで賑わう近所の複合商業施設で購入。元々買うつもりはなかったが、もう一つの仕事(ボランティアといえば聞こえがいいが実態は違う)で必要になったからだ。せっかく買ったのだから、寝る前のひとときに少しずつ読むのを楽しみにしよう。

赤松巡り

11日は今年2回目の奥多摩へ。前日夜の虫屋さんの集まりで教わった生態情報を頭に入れつつ、以前から思い描いている光景を求めて歩き回る。

思い描いている光景を複数個所で発見。春までそのまま残っていてほしい。