東京昆虫館のブログ

日々の昆虫関係の出来事を綴っています

冬越し3回:コナラシギゾウムシ

先週、飼育容器を覗いたら力尽きたコナラシギゾウムシ成虫を発見。幼虫が入ったドングリを保管していたもので、春先の高温で早くも出てきたようだ。成虫の左側には脱出孔が見える。

注目すべきは、このドングリを採集したのが2020年11月ということ。羽化脱出したのが2023年4月なので、冬越しを3回したということになる。

飼育方法を教わった専門家の方からも今回のような事例があることを聞いており、「ドングリを採集した翌年の夏には成虫が出てくるが、翌年、翌々年にも出てくる」という。ドングリの豊作・不作に備えた生存戦略なのだろう。今回、それを実際に自分で確かめることができた。